外壁塗装をする前に、知っておきたいポイントがいくつかあります。本記事ではそのポイントの概要を説明し、失敗しない外壁塗装の参考としてもらえればと思っています。
■そもそも外壁塗装は何のために行うのか？
外壁塗装を行う理由を、汚くなった外壁を塗り直する事で綺麗にする事だと考えておられ方が少なくありません。もちろん、これも1つの目的ですが、外壁塗装が必要な理由としては、もっと重要なポイントがあります。
それは住宅寿命を短くするのを防ぐと言う事です。新築の外壁も10年以上を経過すれば、壁面に細かいヒビが入ったりするものです。ヒビの開口部が紙が挿入できるほどになると、そこから雨水が浸透すると言われています。また塗装された表面の塗膜は、長年に渡り風雨や紫外線にさらされ続ける事で劣化し、雨水をはじく効果が薄れて来るのです。
こうした状態を放置していると、雨水が住宅の躯体である柱や梁を濡らし、腐食させてしまう恐れがあります。これを防止すると言う、塗り替えには重要なメンテナンスの意味があるのです。何でも塗って綺麗になれば良いと言うものではないのです。また適切な塗り替えタイミングに行う事も大切なのです。
■塗り替えが必要なタイミングとは？
外壁塗装を格安で行いますと言う飛び込み営業で、すぐに塗装をしなければ大変な事になりますよと、脅しの言葉で勧誘する業者さんの訪問を受けられた方も少なくないでしょう。これは必要なタイミングで施工しなければ、やがて大変な事態を招く恐れがあると言う点では事実ですが、こうしたタイミングでなくても脅し文句として使っている点が問題と言えます。
最近よく使用されているシリコン系の塗料では12年程度が寿命である点やヒビ割れの状況から冷静に塗り直しのタイミングを判断する事が大切です。自宅の外壁塗料の種類が分からず、塗膜の劣化状態が判断できない場合には、壁面を指でなぞり、白い粉が付くチョーキング現象が生じているなら、そろそろ塗り替え時だと考えると良いでしょう。
■塗料の種類により塗膜寿命が異なり、塗料単価も異なります！
外壁塗装用の塗料にも様々な種類の塗料があります。この塗料種類により、先に記載した塗膜寿命が異なり、また塗膜寿命が長い塗料ほど塗料単価が高いと言う点です。従って、外壁塗装を行う際には業者とよく相談して予算も勘案しつつ最適な塗料を選ぶ事が大切です。
また相見積もりを取る場合には、塗料種が同じ条件で見積もってもらわなければ意味がないと言う事も認識しておく事も重要です。見積もり金額が安い業者に飛びついて、その塗料が寿命の短い安い種類の塗料だったと、後で後悔しないようにする事が大切です。そのために、事前に塗料種類について少し知識を習得しておく事も必要でしょう。
■塗装業者の選定方法について
外壁塗装は、家一軒分となると結構高額を必要とします。従って費用が安い事は誰しも望む事ですが、手抜き工事等を行う悪質な業者に引っ掛からない様に、信頼できる業者さんを探す事も重要です。もちろん、手抜き工事を行う様な業者は稀ですが、残念ながら存在する事も事実なのです。
一般的に業者選定に当たっては、相見積もりを3社から取り、最安の所に依頼するのが良いと言われます。しかし同じ塗料種で最も安い見積もりをくれた業者さんが信頼できるのか判断する事は難しいものです。
従って、地元密着の業者さんで評判の良い業者さんを選ぶと言う方法もあります。この場合には、見積もり価格が妥当かを検証するため、ネットで相場価格を調べたり、当て馬の見積もりを取って、やんわりと牽制する材料とする等も必要と言えます。
■工事の流れと工事期間
信頼できる業者さんを決め、塗料種類や色を相談して決めれば、いよいよ工事となります。この塗装工事の流れについても、ある程度の知識を持ち、進捗状況を業者さんと話して、適切な工事が行われるべく、少し牽制する事も意味があります。
工事の最初に、塗装業者さんが手配した足場業者さんが足場を組み立てます。足場組立のプロが数名で一気に組み立てるのが一般的で、上手に組み上がった足場が立派なのを見て、少し無駄ではと思われる事もあるかも知れません。しかし、これは業者さんが安全に作業するために、法律で定められているもので、安全を無視してケチる事はできません。
しかしせっかく足場が組まれているので、塗装以外に高所での修理作業があるなら、そのタイミングに合わせて修理を依頼する等の有効活用を考えるのは良いでしょう。もちろんこの場合、塗装業者さんとよく相談して段取りを組む事が大切な事は言うまでもありません。
さて足場が組み終わると、足場の周りを取り囲むように防護膜が張られ、いよいよ作業が始まります。ひどいヒビが入っている場合には、まずその部位を修理し、その後に外壁の汚れを高圧洗浄機等で洗い流し掃除します。汚れが除去された後、下塗りから上塗りへと2，3回塗り重ねられるのが一般的です。
1つの作業が終わると乾燥させるために、1日程度間隔があく事もあります。塗装する面積にもよりますが、こうした手順で1週間から2週間で施工が終わるのが一般的です。昼食時や休憩時間に、お茶を出したりしながら牽制の意味も込めて、進捗状況の説明を業者さんから聞くのも良いでしょう。
外壁塗装は比較的費用の掛かるメンテナンスのリフォームです。従って全く無知で業者さん任せにするのではなく、上記に記した様なポイントを理解し、色々と気を付けて満足できる施工が行われる様にすべきなのです。