耐用年数の長い塗料とは

外壁塗装の塗料建築に関わる用語や資材というのは関わらない人には何の事やらさっぱり分からないものです。
ですが、塗料によって家の大切な外の部分である屋根と外壁は守られています。
使用する塗料の種類や素材によって工事金額は変わるのですが、中には分からないだろうと相場の3倍ほどを提示して、実際は安価で耐用年数の低い塗料を使用する業者もいます。

さらに塗装の耐用年数というのは、新しく開発された商品ほど十分な時間が経過していないので当然その結果は知ることが出来ません。
一般的に表示されている耐用年数というのは、キセノンランプなどの促進耐候性試験という太陽光の何倍も強い人工の太陽光を室内で当てて劣化実験をした結果で算出されています。
そこには、雨・風・塩・その他の条件が加味されていません。
従って、実際の耐用年数は表示よりも短くなる傾向があります。

塗装のコーティングがはがれれば次のリフォームは新調という段階になり、当然費用もかさみます。
効果と値段を知ることで賢く家のメンテナンスをしていきたいですよね。
今回はそんなお家の塗料の世界を分かりやすくご紹介いたします。

【塗料の種類】

住宅の塗装は「下塗り」+「中塗り」+「上塗り」という3回の工程で行います。
同じ塗料を使っても施工業者の技術によっては、塗料が効果を発揮しない場合もあります。
塗料の種類は現在主流ではないものも含めると主に7種類あります。

<塗料の種類・耐用年数・単価>

耐用年数は先に触れた通り、業者の技術と室内での耐候性試験によるものなので、あくまで目安になります。
また、単価も3度塗りの相場になりますのであくまで目安として参考にされてください。
1)アクリル系 耐用年数:約5~7年 単価相場:1,400~1,600円/㎡
塗装に使われる塗料で一番安いものですが、5年に1度は塗り替えが必要になるため現場ではほとんどの場合使われていません。

ごく一部使われているケースは

・軒天(のきてん)

軒天は軒下天井裏のことで、屋根が壁からはみ出している軒先の部分で、内側の部分を指します。
軒天は透湿性が求められるので、使われることがあります。

・建売住宅

安価な建売住宅の場合費用を抑えるために使われることがありますが、先に触れた通り耐用年数が極めて短いので、塗装リフォームを業者に依頼するとそのたびに足場を組む必要もあり長い目で見れば費用がかさみます。

・5年以内に取り壊しや転居を考えている場合

5年以内にもう住まなくなることが決定している場合で、塗りなおしが必要な場合は5年持てばいいという感覚で使用する場合があります。

2)ウレタン系 耐用年数:約8~10年 単価相場:1,700~2,200円/㎡
ウレタンもアクリル系塗料と同様に今では外壁や屋根の塗装には使われなくなりました。
ただし、下地との親和性が高く、防水効果が強いため雨樋や破風版などには使われています。
また、ベランダやアパートの屋上などには今も良く使われています。

3)シリコン系 耐用年数:約10~15年 単価相場:約2,300~3,000円/㎡
正式名称はアクリルシリコンで、アクリルをベースとしてシリコンが含まれています。
戸建ての塗り替えに使われる塗料としては7~8割を占める人気No.1の塗料になります。
遮熱効果や汚れがつきにくいという点も支持を集めている点ですが、費用と耐用年数のバランスがいいのも売りの1つです。

4)ラジカル制御形 耐用年数:約12~15年 単価相場:約2,500~3,000円/㎡
白い塗料は太陽光を吸収すると「ラジカル」と呼ばれる成分を発生させます。
これが塗料の劣化を早めるため、このラジカルを制御するための成分が入っている塗料を言います。

劣化を防ぐために加えている成分は「ハルス」と言い、ハルスハイブリッド塗料やハイブリッド塗料と呼ばれています。

5)フッ素系 耐用年数:約15~20年 単価相場:約3,800~4,800円/㎡
フッ素塗料は耐用性を高めるために蛍石を原料とした樹脂を合成樹脂として使用している塗料のことです。
特徴としては、汚れを弾き滑り落ちやすくする・酸性雨に強い・紫外線に強いという塗料としてうってつけの成分になっています。

今主流のシリコンよりも効果ではありますが、耐用年数も15~20年と優秀です。
その為、スカイツリーや六本木ヒルズなどの大型施設では中々塗り替えが頻繁にできないのでよく使われる塗料です。

戸建てに使うメリットとしては、屋根は外壁よりも太陽光と雨にさらされやすいので劣化が早いです。外壁にシリコン・屋根にフッ素塗料を使用すると劣化のタイミングを揃えることができるため、塗り替えを同時に溜めるので足場を組む代金が1回で済ませることができます。

6)光触媒系 耐用年数:約15~20年 単価相場:約4,200~5,000円/㎡
光触媒の特徴は「セルフクリーニング機能」です。
白色の塗料に含まれる酸化チタンが太陽光にあたると活性酸素を生み出します。
また塗膜が超親水性なので水を弾くことで浮かせた汚れを洗い流してくれます。
土や砂は流せませんが、抗菌作用や防藁作用などもあり高価なだけのお仕事をしてくれます。

ただし、高価なのであまり使われていません。
他の塗料は様々なメーカーが塗料を出しているのに対して、光触媒系塗料は圧倒的にTOTOの製品がシェアを占めていました。
ところが、2017年6月に生産が停止されています。

良いことが多い光触媒塗料ではありますが、ご自身で選んだ業者ではなく、訪問業者が勧めてくる場合は注意が必要です。
比較的新しい塗料のため、本当に耐用年数が公表されている通りなのかが実証されていません。
また、シェアの多くを占めていたTOTOの製品は生産が停止されているため、光触媒を勧めてくる業者は良くわからないメーカーの製品を採用して見積もりを高額で提示してくる場合があります。
そういったケースの場合は、相見積もりを忘れずに行いましょう。

7)無機系 耐用年数:約20~25年 単価相場:約4,500円~5,500円/㎡
無機塗料は、塗料の原料にガラスや石・レンガなどの無機物を配合した塗料です。
無機物自体は紫外線で劣化をしないので、半永久的に耐久します。
もし、無機物100%の塗料がつくれれば耐用性としては完璧ですが、そのままでは硬くて塗る事も出来ません。

塗料として使用するには有機物を配合する必要がありますが、それでもフッ素をより耐久性が優れているとして注目の塗料です。
ただし、現状はまだ無機物の配合量などが法的に整備されていない為、少しでも無機物を含んでいれば「無機塗料」と名乗れてしまう点が注意点です。

【優良業者が選ぶ自分の家に使いたい塗料トップ3(屋根塗料)】

No.1 サーモアイ4F    日本ペイント株式会社 

No.2 サーモアイSi      日本ペイント株式会社

No.3 クールタイトSi     エスケー化研株式会社

【優良業者が選ぶ自分の家に使いたい塗料トップ3(外壁塗料)】
No.1  クリーンマイルドシリコン エスケー化研株式会社 シリコン系

No.2 ファイン4Fセラミック  日本ペイント株式会社

No.3 ダイヤモンドコート     日本ペイント株式会社

【最後に】

大切な住宅。
手に入れてもメンテナンスを怠れば劣化していきます。
維持をするのは大変ですが、賢く業者を選び、ライフプランに合わせて施工を依頼したいですね。
この記事が少しでも、外壁や屋根の塗装に悩まれている方の参考になれば幸いです。”